槍ヶ岳~南岳



夕日に染まる北穂高岳と大キレット 左に前穂、右に奥穂(2006年9月23日撮影)

所在地岐阜県上宝村、長野県安曇村
白出沢出合 アプローチ神岡町から車で40分の新穂高温泉から
登山口標高1540m
標   高3180m
標高差累積1800m △365m
沿面距離11Km
登山日2006年9月23日
天 候
同行者深雪、夏江
参考コースタイム
 山と高原地図(旺文社)
新穂高温泉(2時間)白出沢出会(1時間30分)滝谷出会(1時間)槍平(2時間30分)千丈沢分岐(2時間30分)槍岳肩の小屋(2時間20分)南岳(20分)南岳小屋
コースタイム白出沢出会(57分)滝谷出会<休憩5分>(40分)槍平<休憩25分>(1時間12分)宝の木<休憩20分>(15分)千丈沢分岐(1時間40分)槍岳肩の小屋<休憩50分>(2時間15分)南岳(10分)南岳小屋


 槍ヶ岳から北穂高岳まで繋ぎたい(歩いた道を線に例えて繋ぐという意味)という神岡の友人達に付き合う。半年前からの約束だった。
 それなのに日程が確定したのは数日前だった。午前5時に神岡で待ち合わせる。寝坊というアクシデントもあって(他のアクシデントもあったが...)、 白出沢出合を出発したのは7時20分だった。


7時20分白出沢出合出発
 

滝谷は避難小屋より上へ橋が移動していた
 
 オーバーペースになりがちな夏江を2番手にして、ゆっくりペースを作る。滝谷で逆光に黒いシルエットを作っている北穂ドームを眺めながら最初の小休止を入れる。
 デジカメは露出の差が大きい風景は苦手なようだ。どちらに合わせてみても、明るい方が白く飛ぶか、暗い方が真っ黒になるかだ。


槍平小屋で水分補給(缶ビール)
 

槍平小屋のフロントと売店
 
 9時3分、槍平到着。軽く缶ビールで水分補給する。そうなるとつまみも欲しくなり、25分も休んでしまった。
 9時28分槍平を出発。登山道は徐々に斜度を増してくる。最後の水場で水を2リットル補給した。
明日の涸沢まで水場はない。小屋はあっても水は貴重だ。


宝の木 バックは笠ヶ岳
 

視界が開け槍ヶ岳山荘も見える
 
 通称、宝の木と呼ばれているダケカンバのある場所で休憩をとる。樹林帯はここで終わり、一気に視界が開ける。
見晴らしがいいのと最後の木陰であることが重なって休憩を取る人で賑わっていた。我々もここで20分の休憩を取った。


日本一高い飛騨乗越から望む常念岳
 

槍ヶ岳山荘
 
 11時、出発。視界が広いので歩いても歩いても進んでいないような錯覚に襲われる。
 ようやく飛騨乗越だと思ったのは偽物で、本物はさらに300m程奥にある。12時35分、日本一高い乗越「飛騨乗越」に到着。正面に常念岳、蝶ヶ岳を見ながら一息入れる。く


この位置から見ると槍は傾いて見える
 

槍ヶ岳山荘売店
 
 リュックをデポして肩の小屋へ向かう。金沢の岸が別ルートで槍に向かうと言っていたので会えるかもしれない。
 肩の小屋で、とりあえず乾杯。頂上は逃げない(実は逃げた)。生ビールをたのむ。ラーメンもたのむ。
 ラーメンは注文が6杯入ったところでいったんオーダーストップをかけられる。キッチン槍の女の子はかなり焦っていた。


槍ヶ岳山荘の軽食堂 キッチン槍
 

ラーメンの注文が殺到して焦っている
 
 ダラダラと時間をつぶしてしまい、気がつくともう1時半だ。いつのまにか登山の緊張感もうすれている。
 「飲んでいるから頂上は危ないね」「南岳は予約を取っていないから遅くなってはいけないね」などと言い訳しながら、頂上を諦める。
 我々はピークハンターではない(単に行く気がなかっただけなのだが...)


槍温泉から笠を越えてやってきた金沢の岸
 

大喰岳から望む槍ヶ岳
 
 肩の小屋を後にして戻ろうとしたときに頂上から降りてきた岸とバッタリ会う。別ルートから槍を狙うと言っていたが、聞いてみるととんでもないルートだった。
 槍見温泉からクリヤ谷を詰め、笠ヶ岳、弓折岳、双六小屋、西釜尾根を経由しての槍だ。この後、ジュースを1本飲んで新穂高温泉まで3時間で降る予定だと言う。
 早月尾根を2時間49分で登りきるだけある。ちなみに白山は2時間をきっている。


大喰岳から望む中岳
 

中岳への登りのハシゴ
 
 岸に別れを告げて13時45分、肩の小屋を出発する。飛騨乗越でリュックを回収し、大喰岳の100mを登る。
 休みすぎたのと生ビールが効いて体が重い。大喰岳は頂上を左に見ながら通過する。ダラダラと降り、中岳へ向かう。
 この登りは意外に急で、途中にハシゴが2本架かっている。夏江が不調を訴えるのでリュックを2人分担ぐ。んっ?確か昨年もこのメンバーで似たような事があったぞ?


中岳頂上の夏江と深雪
 

中岳から南岳は遠い
 
 中岳で小休止を入れる。頂上には右の尾根沿いに行く道と左側から降る道との2つがある。
 左から降る道は旧道のようだ。まだ踏み跡がしっかりしているので注意しないといけない。右の道を選び、コーロ帯を降る。
 ここから南岳までが長い。アップダウンを繰り返し、岩場を巻いて天狗原の分岐で小休止。最後はダラダラと登ると南岳の頂上だ。


南岳頂上の深雪と夏江
 

南岳頂上から南岳小屋は近い
 
 南岳小屋はこのすぐ先にある。16時15分、南岳小屋に到着。すぐにチェックインを済ませる。一泊朝食だけで7000円の税サ込み。(サービス料は多分ないと思うが...)
 フロント前の石畳の部屋のさらに手前にもう一つ部屋が増設されていた。自炊の出来る部屋のようだ。部屋の片隅に低いテーブルがあり、ストーブはここで使うようにと書いてあった。


南岳小屋のフロントと売店
 

自炊コーナー ワイン付きステーキで宴会
 
 ここを使わせてもらい、皆より一足先に大宴会を始める。ビールにウイスキーにワインの白と赤。これに飛騨牛のステーキが加わり小屋中にいい臭いを漂わせてしまった。
 山でワイン付きのステーキパーティーをやってみたいと、かねがね思っていたのが意外と簡単に実現してしまった。それも意識しないまま...


夕日に染まる北穂高岳
 

意味もなく万歳をする2人
 
 ステーキパーティーの最中に小屋から何人も人が出てきて横を通っていく。従業員までカメラを抱えて出ていく。
 窓から外を覗くと、夕日が雲海に沈んで行くところだった。弥陀ヶ原ホテルに10年もいたので大概の夕日は見てきている。今日の雲海は風が強くて、いまいちなのだが...
 それでも久しぶりの雲海の夕日にカメラを持って外に出る。あちこちで歓声が上がっている。そんな声を聞いていて、ふと、自分がいつの間にか失ってきたものがあることに気づいた。それが何なのかはっきり解らないが、もう取り戻せないものだと思った。


南岳の肩に槍ヶ岳
 

雲海に消えていく夕日
 
 日没後、宴会を再開して飲む。その部屋は喫煙室にもなっていて人が出入りする。登山道でいっしょになった方達と話をしているうちに盛り上がり、日本酒をご馳走になった。
 これが25度もあり、焼酎をストレートで飲んでいるようなものだった。いつしか酔いがまわり、疲れも手伝って眠くなる。
 ちょっと一休みのつもりで布団にもぐり込み、そのまま寝てしまった。夜中に目が覚めたとき、もったいない事をしたような気がしたのは何故?