南岳~北穂高岳~上高地



大キレットから眺めた常念岳と雲海(2006年9月24日撮影)

所在地高山市上宝村、長野県安曇村
南岳山荘~
上高地
北穂高岳3101m
上高地新村橋1570m
標高差累計410m △1800m
沿面距離12Km
下山日2006年9月24日
天 候
同行者深雪、夏江
参考コースタイム
 山と高原地図(旺文社)
南岳小屋(3時間)北穂高岳(1時間40分)涸沢ヒュッテ(2時間)横尾山荘(50分)新村橋
合計7時間30分
コースタイム 南岳小屋(2時間55分)北穂高岳<休憩1時間>(2時間10分)涸沢ヒュッテ<休憩1時間20分>(1時間50分)横尾山荘<休憩10分>(40分)新村橋
合計10時間<休憩2時間30分含む>


 人の動き回る音で目が覚めた。まだ暗い。時計を見ると4時。早立ちなのか、トイレなのか?明るくなるまでまどろむことにする。
 外が白んでくると流石に騒がしくなってくる。外に出てみると雲海だった。弥陀ヶ原にいた頃は雲海に沈んでいく夕日ばかり見ていたので雲海から昇る朝日は新鮮だ。なにより明るくなっていくのがいい。


雲海から昇る朝日と常念岳
 

朝日を受ける槍ヶ岳と中岳(6倍ズーム)
 
 部屋に戻ると布団の中から「ご来光は~?」と誰かさん。「終わったよ~」と私。部屋の隅から笑い声が聞こえてきた。
 朝食はどの山小屋も似たようなものだと思うが前回の記憶がない。塩鮭に卵焼きに海苔。次回から素泊まりも考えよう。
 新潟から来たと言う「この村名山会」の方達が元気よく出発していく。7時25分南岳小屋出発。結局我々が最後だった。


南岳小屋の朝食
 

大キレットと北穂 手前は長谷川ピーク
 
 大キレットへは右側(蒲田川側)から降りていく。岩場の急降だが危険なところはない。
 最後にハシゴを2つ下りるとほぼキレットの鞍部に出る。ふたつ目のハシゴは雪に押しつぶされたのか岩にくっついているので足がしっかり架からない。多少の腕力も必要だ。


展望台にて南岳小屋のスタッフと記念撮影
 

南岳小屋からの降り
 

それなりに急降の岩場
 

ハシゴが2カ所にある
 
 キレットに降り立ってからしばらくは稜線歩きとなる、このあたりは普通の登山道と変わらない。長谷川ピークを眺めながら歩く。
 長谷川ピークの登りは樹木もあり怖くはない。ピークからの降りは両側が切れ落ちたナイフリッジになっていて高度感がある。
 難しくはないが、ちょっとしたミスも許されない。注意力を切らさないようにして降った。


降りきって岩場を振り返る
 

手前のグリーンが長谷川ピーク
 

長谷川ピークのピークを行く深雪
 

笠ヶ岳の彼方に白山が雲海に浮かぶ
 
 長谷川ピークを降るとA沢のコルである。ここから北穂に向かって岩場の急登が続く。有名な飛騨泣は形は面白いが特にどうと言うこともない。クサリがはってあるが、なくても大丈夫だ。


長谷川ピークを振り返る
 

飛騨泣きを登る夏江
 
 大キレットから北穂への登りより涸沢への登りの方が危ないと思う。ただ、大キレットの方が浮き石が多いので慎重に歩かないといけない。
 怖いのは他人が起こす落石で、身を守るためのヘルメットは必携のアイテムだと思う。


クサリ場が増えてくる
 

岩がしっかりしているところはクサリは不要
 
 北穂高岳北峰直下で左に回り込み、東斜面を50mほど登ると北穂高小屋である。登山道はやや不明瞭なので慎重に行く。
 深雪の岩歩きは安定しているし、岩場が怖いと言っていた夏江もガンガン行く。西穂~奥穂が繋がる日は近いだろう。


笠ヶ岳の左奥に白山が浮かぶ
 

振り返れば大キレットと槍ヶ岳
 
 北穂高小屋はこじんまりとした洒落た山小屋である。閑散期、宿泊客が10名か20名ぐらいの時にゆっくり泊まってみたいと思う。
 外の売店に缶ビールが冷やしてあった。見て見ぬふりは出来ない性格だ。だが、涸沢まで気の抜けない降りが続くので軽い乾杯にとどめる。


一番左奥に富士山、そして右に南アルプスが連なり、手前に山波(?)が押し寄せる
 西側には常念岳の彼方に四阿山、浅間山、南アルプスが雲海に浮かぶ。南アルプスの左肩に特徴のある山が見えた。富士山だ。
 山々が青白く波のように織りなす様は、山並と書くより山波と書いた方がぴったりしている。


北穂高小屋の食堂
 

乾杯の後、北穂高小屋を後にする
 
 北穂高小屋から10mほど登ると北穂高岳北峰だ。3000m級の山で山頂に一番近い山小屋はここかもしれない。
 11時20分、北峰を出発。少し降ると分岐に出る。まっすぐ行くと涸沢岳、右に折れて上り詰めると北穂高岳南峰、そして左に降ると涸沢である。
 2年前、ガスっていて涸沢岳に行くつもりが間違えて涸沢に降ってしまった苦い経験がある。越冬準備で標識が倒されていたこともあるが不注意だった。


ほろ酔い気分で北穂高岳北峰頂上
 

北穂高岳東陵のゴジラ
 
 北穂の南陵から東陵を見下ろす。東陵はゴジラと言われているナイフリッジが核心部のように言われているが、それよりも東陵の尾根に出るまでのほうが難しそうだ。
 ガレ場と岩場がミックスし、緑色の部分はハイマツかハンノキが密生していて登れそうにも見えない。
 草付きの部分も見えるが急登で怖そうだ。だが近づいてみれば何とかなると思う。すべては来年だ。


昨年、涸沢と涸沢岳を間違えた分岐
 

前穂高岳本峰と北尾根
 
 南陵の降りはテン場から始まり、徐々に急降となっていく。涸沢との中間ぐらいで左の沢方向に南陵を離れる。
 ここは長い一枚岩でクサリがはってある。すれ違えないので団体とぶつかったらかなり待たされることになるだろう。
 沢に降りるとしばらくゴーロ帯が続く。それが終わるとようやく登山道らしくなり危険地帯から解放される。


南陵から沢への降りにクサリ場がある
 

涸沢ヒュッテがこの角度で見下ろせる
 

涸沢小屋
 

涸沢小屋のベランダ
 
 13時30分、涸沢ヒュッテに到着。もう危険なところはない。思い切り生ビールで乾杯。うまい! 何故、山で飲むビールは美味しいのだろう?
 おでんが美味しい。ラーメンも美味しい。ほろ酔い気分で前穂、北穂を眺めていると、このまま泊まりたい誘惑にかられる。
 14時50分、その誘惑を振り払って涸沢を後にする。


涸沢ヒュッテのテイクアウトコーナー
 

涸沢ヒュッテのベランダ
 
 石だらけの坂で夏江が前のめりに顔から転んでひやりとしたが怪我はなかった。(と思う)
 事故は危険なところよりも、何でもないところで起こるというような事を思い出した。気を引き締め直して降る。
16時40分、横尾に到着。小休止を入れて17時20分、新村橋到着。


横尾山荘
 

一気に新村橋へ
 
 仲間との泊まりがけの山行きは、学生時代の修学旅行に似て終わりが近づくと寂しさが増してくる。祭りの後の寂しさとでもいうのだろうか...